カルガモ
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形態
全長53-63センチメートル。翼開長83-91センチメートル。全身の羽衣は黒褐色。
分類
本種の学名は、日本産鳥類目録改訂第7版で Anas poecilorhyncha から Anas zonorhyncha に変更された。
以前の分類では3亜種に分けられる。その場合、それぞれの特徴は下記を参照のこと。また、マミジロカルガ
モを本種に含める説もあった。
- A. poecilorhyncha haringtoni ビルマカルガモ
- 中華人民共和国(雲南省)、ベトナム、ミャンマー、ラオスに分布。
- 翼長オス24.5-26.8センチメートル、メス23.7-25.5センチメートル。
- 上嘴基部の赤い隆起は小型、もしくはない。
- A. poecilorhyncha poecilorhyncha アカボシカルガモ
- インド、スリランカに分布。
- 翼長オス26-28センチメートル、メス25-26.8センチメートル。次列風切の光沢は緑紫色で、次列風切
- や三列風切外縁(羽縁)の白色部が明瞭。
- オスは上嘴基部に赤い隆起がある。
- A. poecilorhyncha zonorhyncha カルガモ
- 大韓民国、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、日本、ロシア東部に分布。
- 日本では主に本州以南に周年生息(留鳥)する。和名は「軽の池」(奈良県橿原市大軽周辺とする説
- もあり)で夏季も含めて見られたカモであったことに由来すると考えられている。
- 翼長オス25.4-27.6センチメートル、メス24.3-26センチメートル。次列風切の光沢は青紫色で、次列風
- 切や三列風切羽縁の白色部が小型で不明瞭。
- 少なくとも亜種カルガモはオスの腹部の羽衣が濃褐色で、羽毛外縁(羽縁)の淡色部が小型になり胸
- 部との差異が明瞭。尾羽基部を被う羽毛(上尾筒、下尾筒)が光沢のある黒。メスは胸部と腹部の羽
- 衣の差異が不明瞭で、上尾筒や下尾筒が黒褐色で羽縁が淡色だったり淡色の斑紋が入る。
生態
湖沼、河川などに生息し、冬季になると海洋にも生息する。渡りは行わないが、北部個体群は冬季になると南
下する。食性は植物食傾向の強い雑食で、種子、水生植物、昆虫などを食べる。狩猟で撃ち落とされた本種
で、3.2-6.6センチメートルのオイカワを30尾食べていた例もある。水面でも陸上でも採食を行う。
繁殖形態は卵生。亜種カルガモでは集団繁殖地(コロニー)を形成することもある。水辺に巣を作る。基亜種は
はオスも育雛を行った例がある。雛は孵化してから2か月で飛翔できるようになる。
繁殖地が高密度になると、雌が同種他個体の子を殺す(子殺し)ことが報告されている。このときには、他種(
オカヨシガモ)の雛も殺している。親が自分の子を殺す場合もある。
繁殖期前期(交尾から営巣地の探索程度まで)はつがいで行動するが、メスが抱卵・育雛を行っている間、オ
スは概ねオスだけの群れを形成する。繁殖期が終わると、まずメス親とヒナとの関係が消失する。その後は不
透明であるが、越冬期前には、雌雄で構成される大群を形成する。