ツクシガモ♀
ツクシガモ(筑紫鴨、学名:Tadorna tadorna )は、カモ目カモ科に分類される鳥類の一種である。ユーラシア大陸の温帯部に広く分布する大型のカモで、日本へは少数が冬鳥として渡来する。
分布
形態
全長58-67cm。翼開長110-133cm。マガモよりも大きく、カモ類とガン類の中間くらいの大きさがある。くちばしが赤く、頭から首にかけて光沢のある緑黒色で、肩羽と腹部中央にもこの緑黒色が入る。胸に太くて白い首輪状の模様、その後ろに茶色の同様の模様がかかる。翼と尾羽先端は黒く、脚は鈍い赤橙色をしている。
カモ類としては珍しく雌雄同色だが、オスの額にはガチョウと同様にくちばしと一続きになったこぶがあり、特に繁殖期にはこぶが大きくなる。若鳥は頭部が光沢のない灰黒色で、他の体色も全般に鈍い。
生態
越冬地では干潟や内湾に生息し、海岸や海面で休息する。通常は小規模な群れで行動しているが、渡りの前には1000羽近くの大群を形成することもある。繁殖期には海岸や河口、内陸の湖沼などに生息する。
食性は主に動物食。採餌はおもに干潮時に行い、潮が引いた干潟で地面にくちばしをつけ、振りながら歩く。くちばしに触れた甲殻類や貝類、藻類を食べる。そのほか小さな魚類や昆虫などの水生動物も食べる。
繁殖形態は卵生。繁殖期は4-7月で、地面に掘った穴や樹洞に草や羽毛を敷いて営巣する。産卵数は7-12個で、雌が抱卵する。育雛は雌雄が共同で行う。