オオワシ
オオワシ(大鷲、Haliaeetus pelagicus)は、
鳥綱タカ目タカ科オジロワシ属に分類され
る鳥類。
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分布
民主主義人民共和国、日本、ロシア東部
夏季にロシア東部(カムチャツカ半島、樺
太北部など)で繁殖し、冬季になると越冬
島南部などへ南下する。オホーツク海沿
岸部では冬季に南下する個体が多いが、
一方でカムチャツカ半島では千島列島以
南へ南下せずに留まる個体も多い。日本
では基亜種が冬季に越冬のため北海道
や本州北部に飛来(冬鳥)する。
形態
日本で一番大きなワシともいわれ、全長
オス88センチメートル、メス102センチメー
トル。翼長オス56-65センチメートル、メス
60-65センチメートル。翼開張220-250セン
チメートル。尾羽は長い楔形。尾羽の枚数
は14枚。全身の羽衣は黒や黒褐色で、頭
頂から頸部を被う羽毛は羽軸に沿って白
い斑紋(軸斑)が入る。尾羽は白い。飛翔
時には翼後縁部が膨らんで見える。翼は
黒や黒褐色。虹彩は黄色。嘴は大型。嘴
や後肢は黄色や橙色。幼鳥は全身の羽
衣が淡褐色で、下面や翼に白い斑紋が入
る。尾羽の外縁(羽縁)や先端に褐色の斑
紋が入る。
- H. p. pelagicus オオワシ
- 額や腰、脛の羽衣が白い。小雨覆や人間
- でいう手首を被う羽毛(小翼羽)、一部の
- 下雨覆は白い。
- H. p. niger
- 尾羽基部と尾羽を除いて全身の羽衣が黒い。
分類
集例があり朝鮮半島で繁殖する亜種とさ
れるが、標本が少なく現在も繁殖している
かは不明。亜種H. p. nigerを単なる暗色型
として亜種と認めない説もある。
- Haliaeetus pelagicus pelagicus
- (Pallas, 1811) オオワシ
- Haliaeetus pelagicus niger
生態
海岸や河川、湖沼などに生息する。種小
名pelagicusは「海の、外洋の」の意。越
冬地では水辺の樹上で休む。食性は動
物食で、主に魚類(カラフトマス、サケ、ス
ケトウダラなど)を食べるが鳥類(カモ類)
、小型から中型の哺乳類、動物の死骸(
魚類、アザラシ、クジラなど)なども食べる
カムチャツカ半島では4月までに海辺や水
辺にある大木の樹上(ダケカンバ、ドロノ
キなど)や断崖に巣を作る。ロシア極東部
では4-5月に1-3個(主に2個)の卵を産む。
抱卵期間は1か月から1か月半。雛は5-6
月に孵化し、8月に巣立つ。