ハチクマ
ハチクマ(蜂熊、八角鷹、蜂角鷹、学名:Pernis ptilorhyncus)は、鳥綱タカ目タカ科
ハチクマ属に分類される鳥類の一種である。ハチクマの和名は同じ猛禽類のクマタ
カに似た姿でハチを主食とする性質を持つことに由来する。
この前の渡りの時に見たハチクマ・・・7羽だったかな?
西の方ではハチクマが多かった見たいですが?・・・
此方では、サシバが多かったのかな?・・・
分布
ユーラシア大陸東部の温帯から亜寒帯にかけての地域に広く分布する。ロシアの
東南アジアで繁殖し、北方で繁殖した個体は冬季南下して、インドや東南アジア方
面の地域に渡り越冬する。日本では初夏に夏鳥として渡来し、九州以北の各地で
繁殖する。
渡り
日本で繁殖した個体は、同様に東南アジアにわたるサシバが沖縄・南西諸島を経
由して渡りをおこなうのとは異なり、九州から五島列島を経て大陸に渡り、そこから
南下する。鹿児島県下甑島を通過する個体もおり、年齢を判別できた個体のうち、
幼鳥が92%であった。渡りの方向は西方向が中心で北や南への飛去も観察されて
いる。春には秋とは異なる経路をとり、大陸を北上した後、朝鮮半島から南下する
ことが人工衛星を使った追跡調査から明らかになっている。
形態
丘陵地から山地にかけての森林に、単独かつがいで生活する。冬になると東南
アジアに渡って越冬するが、毎年同じ縄張りに戻ってきて育雛をする。このとき巣
も毎年繰り返し再利用するため、年々新たに付け加えられる木の枝によってかな
りの大きさとなる。その下部は排泄物がしみこんで富栄養の腐植質となるが、ここ
幼虫や蛹を主たる獲物とし、育雛に際してもばらばらの巣盤を巣に運んで雛に与え
スズメバチなど、地中に巣を作るハチの巣であっても、ハチが出入りする場所などか
ら見つけ出し、同じ大きさの猛禽類よりも大きい足で巣の真上から掘り起こし、捕食
してしまう。また、時には養蜂場のハチの巣を狙うこともある。ハチの攻撃を受けても
ハチクマは滅多に刺されることはないが、これは硬質の羽毛が全身に鱗のように厚く
密生しており、毒針が刺さらないためと考えられている。また、ハチクマの攻撃を受け
たハチはやがて反撃をしなくなることがあるが、詳しい理由は判明していない。ハチ
の攻撃性を奪うフェロモン、もしくは嫌がる臭いを身体から出しているという説や、数
週間にもわたって、時には複数羽で連携してしつこく巣に波状攻撃を仕掛けることで、
ハチに巣の防衛を諦めさせ、放棄して別の場所に移るように仕向けさせているという
説がある。ハチ類の少なくなる秋から冬にかけては昆虫類や小鳥、カエル、ヘビ等の
動物も捕食する。猛禽類では餌を独占する傾向が強いが、ハチクマは、餌を巡り滅多
なことでは同種同士で争うことはない。これは上記のように集団で巣を襲うからと考え
られる。
日本での産卵期は6月で、樹上に木の枝を束ね産座に松葉を敷いたお椀状の巣を作
り、1-3個(通常2個)の卵を産む。抱卵期間は28-35日で、主に雌が抱卵する。雛は孵
化してから35-45日で巣立つ。巣立ち後30-60日程度で親から独立する。